リンゴの花の咲くころ

2012年11月7日

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リンゴの花は、その実の華やかな紅とは対照的に、花も白く小さく、あまり気にも留められず咲いていました。


昔、庭の隅に細いリンゴの木が1本ありました。紅玉でしたが、あまり大きい実を付けることはありませんでした。それに、紅くなるのが待ち切れず、まだ青いのに食べていました。

後の日、リンゴの花の美しさと、かぐわしい香りに気付きました。

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私のいちばん好きなリンゴは何といっても紅玉。小さい頃、いも煮会の野原でみんなで食べた小さく堅く真赤な紅玉。その時の甘酸っぱい味と真っ青な空。ナナカマドがたわわに実る道を歩いた懐かしい秋の日が心に蘇ります。


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『お八幡様』のヤマザクラ

2012年10月20日

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  こんな薄紅色の花弁でした

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私がまだ小学校の低学年の頃、そんなことはめったのなかったのですが、誰がが言い出して近所の
家族が集まりお花見をすることになりました。

家の近くのお八幡様は、階段を200段ぐらい登ってやっと頂上に登りつける、子どもにとっては「未知の、険しい、こわい」場所でした。でも、花見をしたのは境内の下のほうに踊り場のような小さい場所です。

母と、近所の友人とその母たち7、8人だったように思います。みんな思いがけないひと時を楽しんで、花の下で笑っていました。今でもその時の声が聞こえてきそうです。

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お弁当といっても特に何も用意してなく、急に思い立ってのお花見でした。その日は、今思い出せば懐かしい、朗らかな麗しい春の日でした。幼いこころに焼きついた至福の時でした。

美しいさくら、華麗な桜はたくさん見たけれど、子どものころ、母とみんなで談笑しながら見た、まだか細い若木に薄桃色の花を付けたやまざくらが、私にとって一番記憶に残るさくらです。


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雑木林に春を告げる花、カタクリ

2012年10月17日

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私の思い出のカタクリはこんなに美しくはなく、花は小さく堅く、色はもっとピンクで、葉は花にとどくほど大きかったように思います。

春の花は、どの花も強く心に残っています。カタクリは雑木林の岩場の日当たりの悪いところに咲いていて、誰にも気にも留められずひっそりと芳香を放っていました。

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春の花は、どの花も強く心に残っています。カタクリは雑木林の岩場の日当たりの悪いところに咲いていて、誰にも気にも留められずひっそりと芳香を放っていました。

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春の花は、どの花も強く心に残っています。カタクリは雑木林の岩場の日当たりの悪いところに咲いていて、誰にも気にも留められずひっそりと芳香を放っていました。

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ふっくらとした花弁、コブシの花

2012年10月1日

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葉山町下山口の「桃源郷」のコブシ

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どんな時だったのか、7歳か8歳のころ、ひとりで登った早春の山で、その強くかぐわしい
香りに誘われ出会った花、コブシ。

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早春の雑木林にたったひとり、心細い気持で見上げた空は青く澄んでいました。腕には抱えるほどのコブシの枝を持って、半ば途方に暮れていた少女のころの私を、今も懐かしく思い出します。

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「ひとりで帰れなくなったらどうしよう」と不安に思いながら、白く咲くその花に吸い寄せられ、どんどん雑木林を登って行きました。 山にはまだ雪が残り、でももう春の風が吹いていました。

その花はもしかして「タムシバ」だったかもしれません。でも私にとって、ようやく家に帰り着いた私に、その日父が教えてくれた「コブシ」という名前が、ふさわしいのです。

 

 

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里の春「フキノトウ」

2012年10月1日

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    鎌倉円覚寺2011

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ふるさとの思い出は、なぜかすべて雪解けの春から始まります。とりわけ春の花々が懐かしく思い出されます。「春」は若い日の夢と希望の象徴だったからかもしれません。


フキノトウは、見るだけでなく立派な食卓の春の味覚でした。でも、大人になるまで、残念ながらそのほろ苦い味を美味しいと思ったことはありません。

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春の陽ざしが少しずつ家のまわりの道の雪を解かし、道にまぁるいのや、長細くまるい形の土が顔を出し始めます。

まぶしいような陽の光の中でその土を見た時の喜びは何とも言えないもので、幼い心に焼きつき今も私の心をふるわせます。私のもっとも大切な記憶のひとつです。

 


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「雪解くる頃」

都会に出て一番感じたことは”春”がないこと。私にとっての”春”は雪解けの水とその音が、どこからともなく聞こえてくる、心弾む季節でした。

私の記憶のネコヤナギは、寒さに痛めつけられてとても小さく、つぼみもまばらなものでした。それでもネコヤナギは確実に春を知らせてくれました。

春は山から来るのでしょうか、それとも川のほとりから雪を解かして近づいて来ていたのでしょうか?

2024/3/9 追加:宮芳平「画文集」より

「雪解くる頃」1942-49
 


オクノアズマイチゲ・・・小さい女の子だった頃

2012年9月27日

アズマイチゲ(左右とも)

この写真のアズマイチゲもオクノアズマイチゲも私の「その花」ではありません。花の図鑑で何年も何年も、どんなに調べても、私の思い出の中のその花に会うことはありません。

私のふるさとは、春にその場所へ行くには遠すぎる存在になってしまいました。だからなおさらいとおしいその花。もう夢に見るだけなのでしょうか?


子どものころの思い出を書きためようと時折試みましたが中途半端に終わっていました。このブログで文章にしたきっかけは東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」の歌詞です。

その歌は、次ののように始まります。

真っ白な 雪道に 春風香る
わたしは なつかしい
あの街を 思い出す
  ※歌詞こちらから

 <オクノアズマイチゲ>

2023/1/15 Internetsiteで見つけた花;どちらがあの「幻の花」に近いだろうか?

 

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 私がまだ小さかった頃 (オクノアズマイチゲ)

 春、近くを流れる川の土手に沿って咲くこの白い花をどこまでも追いかけていきました。このページは、この白い花に寄せて思い出す、ふるさとと子どものころの話です。 続きはこちらから・・・

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 ネコヤナギ

 ふるさとの「春」は雪解けの水音とともに近づいてきました。川辺に咲くネコヤナギはそれを知らせる「春の使者」でした。  続きはこちらから・・・

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 フキノトウ

 里の春を知らせるフキノトウ。 そのほろ苦い味を”おいしい”と感じたのは、ずうっと後のことでした。 続きはこちらから・・・

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 辛 夷

 まだ7歳か8歳ぐらいのころ、ふと入り込んだ山でこの花の強い芳香に気づきました。「帰れななったらどうしよう」と思いながら登って・・・続きはこちらから・・・

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 カタクリの花
 カタクリは雑木林の岩場の日当たりの悪いところにも咲いていて、芳香を放っていました。続きはこちらから・・・
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 ヤマザクラ

 母がいて、近所の人達と近所の八幡神社でお花見をしたときに咲いていた、薄緑の葉を付けたヤマザクラが私の最初の記憶にある桜です。続きはこちらから・・・ //<Surprise> 2018年の”サンタクロース”

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 リンゴの花

 リンゴの花は、その実の華やかな紅とは対照的に、花も白く小さく、あまり気にも留められず咲いていました。続きはこちらから・・・

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 ミヤマエンゴサク

 何という名前だったか、もう覚えていません。いろいろ調べたみたら「ミヤマエンゴサク」という名前のようです。吸うと甘い蜜のような・・続きはこちらから・・・

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 アヤメ

 私の家にはアヤメの花は咲きませんでした。でも、家の庭に続く小さなため池のような水辺に沿って春になると群青色の小ぶりのアヤメが美しく 続きはこちらから・・・

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 オダマキ

 母がどこかからこの「きれいな、大好きな花」を手に入れ、大事に育てていました。最初は植木鉢に 植えられ、室内で育てられていたように 続きはこちらから・・・

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 クルマユリ

 小さい頃住んでいた家の花壇は家の西側にありました。西側なので日当たりが良すぎて、夏になるといろいろな花が・・・ 続きはこちらから・・・

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 大輪のダリア

 その花は何といっても大きかった。私の背よりもずっと高いところに豪華に、もっといえば豪快に咲いていました! 続きはこちらから・・・

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 アサガオ

 夏でも朝はまだ空気もひんやりとしていて、陽が昇る前から一斉に咲くアサガオは、夏の楽しみでした。青い花のアサガオが多くありましたが 続きはこちらから・・・

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 ノギク

 秋を感じる野の花、ノギク。ノギクが好きなのは、私の子どもの頃最も好きだった小学唱歌が「野菊」だったからです。 続きはこちらから・・・

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 クリの実

 小学校1年生のとき、大きな書道展で『特選』をとった時の題材が「クリの実」のお話。その初めの部分が「かぜがふいたらとびおりるんだ」続きはこちらから・・・

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 キ ク

 毎年秋に開かれる「菊まつり」は毎年の秋の楽しみでした。「菊まつり」の日は親戚中が集まり、菊ダンゴを食べながら、のんびりと秋の一日を続きはこちらから・・・

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 ナンテン

 冬の庭は雪に埋もれ、樹木も「雪囲い」で見えなくなりました。でも、玄関脇の植え込みにあった丈の低いナンテンは、冬になってもそのまま・・・続きはこちらから・・・

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