夾竹桃の咲くころ

もう20年以上も前になる。だいたい正確に(?)言うと24年前の夏。たぶん六浦駅の近くの公園か街路樹で見つけたピンクの夾竹桃の枝を2~3本手折り、白い紙にそっとつつんで病院ベッドの傍まで持っていった。「夾竹桃の花が一番大好き」と言っていたから。

5~6時間かけてそこまで行った。でも、その大好きな花を受けとめる元気はその人にはもうなかった。悲しかった、あの時。

夾竹桃YCU                  <YCU文系研究棟庭園のキョウチクトウ>

だから、どんなに時間が経っても、夾竹桃の花は特別だ。花を見つけたらその時のことを思う。ヤマザクラを見るときも、ダリアを見るときも、オダマキを見るときも。。。花を見るときはいつもそれらの花が好きだった人のことを思う。私をこの世に送り出してくれた人だ。

**********キョウチクトウ*****

インド原産、強い日射しと澄んだ空が似合う、夏を代表する花木

科名:キョウチクトウ科
学名:Nerium oleander var.indicum
(= N. indicum)
別名:夾竹桃(漢字表記)
原産地:インド

名前の由来

属名のネリウムはセイヨウキョウチクトウを指す古代ギリシア語のネロス(湿り気のある)から。川辺など湿り気のある場所に好んで自生する。種小名のオレアンデルは「オリーブの葉に似た」の意味で、由来はそのまま。また、変種名のインディカムは「インド産の」の意。

漢字の「夾竹桃」元々の中国での呼び名。花がモモ、葉っぱがタケに似ているということでこの名前が。

 

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