◆共謀罪、Abeのマフィア化(3/15~更新中6/19)
法学や政治学などの専門家で作る「立憲デモクラシーの会」が3月15日、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案に反対する声明を発表した。
同会共同代表の山口二郎・法政大教授(政治)や長谷部恭男・早大教授(憲法)、高山佳奈子・京都大教授(刑法)ら5人が都内で記者会見した。
声明は、人権を制約しかねない刑事罰は必要最小限度にとどめるという原則や、「犯罪行為は既遂の場合に処罰する」といった刑事法の基本原則を揺るがしかねないと指摘。「数の力で無理やり押し通せば、日本の議会制民主主義に対する国民の信頼をますます損なう」と主張している。
長谷部教授は「立憲主義の観点から、刑事法の基本原理を動かすには十分な理由が必要だが、必要性も合理性も立証されていない」と話した。高山教授は「(批准のために法案が必要と政府が説明する)国際組織犯罪防止条約の目的はマフィア対策。テロ対策という別の目的を結びつけて法案を作るのは、国民を欺く行為だ」と述べた。
会見出席者の主な発言は次の通り。
■長谷部恭男・早大教授(憲法) 「権力行使が最も鋭く現れるのが刑事罰の行使。それを抑制する刑事法の基本原則が揺るがされる。刑事法の原則は憲法の個々の条文の前提であり、そうした根幹が壊されようとしているのは重大な問題だ」
■高山佳奈子・京大教授(刑法) 「処罰範囲は限定されると政府は言うが、『組織的犯罪集団』も『準備行為』も、判例から考えても法文を読んでみても、まったく限定になっていない。また、実際に本当に犯罪対策として有効かも疑問」
■山口二郎・法大教授(政治学) 「今の国会は、権力者が野党の質問やメディアの批判に対して説明責任を果たさず、議会の体をなしていない。そんな国会で、憲法上疑義が多く、権力に都合のいい法案を通過させるのは、あり得ない」
■千葉眞・国際基督教大特任教授(政治思想史) 「戦時下の治安維持法を思い起こさせる。簡単に戦前には戻らないという意見もあるが、民主主義や人権の根幹が破壊される危険性がある。監視社会化というリスクを将来に残すという点も心配だ」
■五野井郁夫・高千穂大教授(国際政治学) 「人々が内面で物事を考えて、他人とつながって一緒に何かをする自由を脅かす。民主主義の営みを根幹から揺るがし危険だ。警察が人の内面に踏み込むということは、今まで戦後なかった事態だ」













